2007年05月14日

靖国に集う蛍〜「俺は、君のためにこそ死ににいく」〜

先日DVDで「太陽」を見たばかりですんで、
立場変われば、戦争というものの見え方も変わるというか
なんというか・・・。

戦い散っていくものを美化するような映画だったら
ちょっとな〜と思ってたんですけど、
これはあくまでもトメさんの目から見た
戦争というものの理不尽さを
正直に表した作品てことで。

ただ飛び立つのを見送るしかなかった悲しさと
せめて少しでも何かしてあげたいという愛情が
ホントにスクリーンにしっかり映し出されてました。



鹿児島のもひとつの基地跡にある資料館へは
昔ダンナと帰省したときに連れてってもらったことがあります。
まだ若いときに回天で亡くなったおじさんがいて、
ダンナにとってはこの手の話案外無縁ではないのです。
もっともそこを訪れたのはもう10年以上も前で
今思えばもっと真剣に見とけばよかったと反省しきり。

靖国で待ってる・・って
それ言うてええん?
首相が参拝したとかお供えものしたとかで
外国が大騒ぎしてる時に。
やっぱし石原さんて勇気やわ・・・。


去りゆく隼に正座して見送る人がいたかと思うと
戦後は特攻崩れだの、無駄死にだの、
当時でさえも人の心はこんなにも移ろいゆく。
特攻で亡くなった人たちは、
愛するもののために命をかけることができたけど
生き残ってしまった人たちは
どうしても思ってしまうんだろうな。
何のために・・って。
生きていることへの罪の意識と、人の目の冷たさと、
そして
日本を守ってくれた彼らにかわって、
未来をになっていく責任と。

その両方の痛みの上に今の日本がある。

ボロボロの飛行機で、片道もまともに飛べない、
戦争の末期そこまでして
日本はまだまだ強いと思わせなくちゃいけなかった、
そのことはあまりにむなしいんだけど、
それをわかっていて、負けるのもわかっていて
それでも守りたいものがあるから
飛び立っていった、
そのことに、そうしてくれたことには
ありがとうはやっぱり必要だよと。
戦後60年以上もたって、
当時そこに関わっていた人たちだけじゃなくて
私たちもそういうこと考えないといけないんだろうなと。
それは何も攻撃は最大の防御だとか
戦争に賛成とかそういうことじゃなくて。

今、国民投票で憲法を改正できるとこまで
話がいこうとしてる。
受験で勉強したての子どもしか
平和主義云々を正確に答えられないと、
アンケートで3割しか知らないと、
ニュースで言うてた。
この国はどこへ行くんだろう。
隼で散っていったひとたちがもっていた、
命を懸けても惜しくないと思った「愛しさ」が
無駄になりませんようにと切に思ったわけで。
posted by Ageha at 18:10| 大阪 | Comment(2) | TrackBack(17) | 映画、DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Agehaさんこんにちは。TBありがとうございました。

もうちょっと「反戦」という面を見せてもらいたかったですね。命を賭して戦った若者達にはもちろん敬意を払わなくてはなりませんが、戦争そのものを肯定する事はしていけないと思います。
「俺はこのクソったれの戦争のために死ぬんじゃない。守りたい人がいるから死ににいくんだ」
くらいの台詞が聞きたかったです。
Posted by えめきん at 2007年05月15日 07:08
えめきんさん、どうも。

トメさんの悲しみがそのまま
反戦としての思想だと解釈したのですが
それでも、
もう少しそっちのメッセージを
強く出してほしかったかなと。
岸恵子さんの演技そのものはとても
よかったんですが。

それより桜の下の蛍って・・・f(´−`;)
Posted by Ageha at 2007年05月21日 17:42
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