2007年02月24日

悲しき回天の記録。〜「出口のない海」〜

国を守ることが愛する人を守ることだと信じて
戦っていた若者たちがいた。
それが生きて帰れないとわかっていても
回天に乗り込んだ若者たちがいた。

出口のない海
出口のない海市川海老蔵(11代目) 横山秀夫 佐々部清

ポニーキャニオン 2007-02-23
売り上げランキング : 206

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ワールド・トレード・センター スペシャル・コレクターズ・エディション 日本沈没 スタンダード・エディション 地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション 16ブロック UDON スタンダード・エディション


最後の最後で一つ夢が叶ったことは
せめてもの救いだったかな。
それにしてもずいぶんキュートな海老蔵さん
だったような。(え)
イッショウケンメイ青春の部分を
明るく描こうとしてましたね。
命がけの訓練のシーンでさえも。
・・で幾分笑える回天の訓練シーンが実は
最後の複線???

・・・なんていうか、
あのナレーションでもしゃべってたように
あと1日、なんとかならんかったのかと
そんな死に方はないやろとやっぱり思ってしまいました。

ひとの命を犠牲にしてまで
機械の正確さを補うなんてのはありえない。
これはとっても失礼な話だけれど
うまく操縦できなければ、
その命は目的すら果たすこともできずに散ってしまう。
それはあまりに命の無駄遣いなんじゃないかと
思っちゃいました。
敵をたたくことも、生きて帰ることもできずに
そんな死に方ってないよと。

そしてこんな機械があったことを
知らしめるためにも乗るんだといった彼は
ある意味ホントにその目的を果たしてしまう。
それは、戦死通告を紙切れ1枚しか受け取れずに
納得などできない家族よりはまだ
家に帰ってこれただけマシなのかもしれないけど、
手紙が残っていただけマシなのかもしれないけど、
それでもあまりに悲しい最後に
絶句しちゃいました。

大和もそうですが、
こういうたくさんの犠牲者の上に今の平和があって、
もちろん、正直なところ
この頃よりずっと世界には物騒なものがいっぱいあるけど
それでももうこんなことを繰り返しちゃいけないから
・・・戦争映画ってのはそれを切に願うゆえに
作られるものだと思うから
くれぐれも命は大切に・・・しなくちゃねと。
どんな争いがあったとしても
奪い奪われるものじゃない。

・・う、まとめになってなくてスイマセン・・・。
posted by Ageha at 18:28| 大阪 ☁| Comment(6) | TrackBack(10) | 映画、DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 「最後で叶った夢」というのは魔球のことですかね?
 私は「映画より本」派で、この映画は見ていないのですが、映画では悲しいままで終わってしまうのでしょうか。
 原作では、最後は短いながら現代のシーンがあって、ほっと心温まるような終わり方だったような…。
Posted by higeru at 2007年02月25日 19:15
higeruさん、どうも。

魔球の話と、それから
回天は人が動かしていた、
こんな魚雷があっちゃいけない、そのことを
教えてあげるんだと・・そういうセリフがあったんですが
その思いは身をもって示したわけでして。

映画でも現代のシーンがラストに出てきます。
原作は未見ですが、ほぼ内容は同じではないでしょうか?
Posted by Ageha at 2007年02月25日 23:04
回天という言葉を聞くと、どうしても海天寿司を思い出して腹が鳴り始める映画でもありました。
一人残された回天の中。腹が減っただろうなぁ・・・
俺だったら気が狂ってしまいそうです。
Posted by kossy at 2007年02月26日 01:21
kossyさん、どうも。

>回転寿司って。(ノ*゚▽゚)ノ

ある意味彼は自分の命をかけて
有言実行しちゃったわけですが、
やりきれないものを感じました。

それと、
回天をもってしても
家族を守りたい、もしくは一矢報いたい
それができなかった命があることが
とってもとっても悲しかったです・・・。
その分とってもリアルな映画でしたけどね。
Posted by Ageha at 2007年02月26日 09:21
こちらもありがとうございます!
結末もえ〜って感じでドラマ的にはイマイチでしたけど
こういうことを伝えることに意味があったのかなと思いました。
回天の存在とか全く知らなかったですし。
思想を交えず事実として学校なんかでも教えればいいんですよね。
Posted by こーいち at 2007年03月02日 22:14
こーいちさん、どうも。
せめて家族の下へ遺体が帰ってきただけでも
よしとしなければいけないのでしょうね。

戦争で散るということが
なんだかカッコいいかのように
軍神とかいうて持ち上げられて
その影でこういう悲しい最後もあったことを
きっちりと伝えることで
これはこれで静かな問題提起。
これもありなんだろうなと今は思います・・・。
Posted by Ageha at 2007年03月03日 00:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

「出口のない海」:慶応義塾大前バス停付近の会話
Excerpt: {/kaeru_en4/}この、いまは平和な慶応大学からも、戦争中は「出口のない海」みたいに多くの学生が戦場へ出て行ったんだろうな。 {/hiyo_en2/}「出口のない海」の主人公は明治大学だった..
Weblog: 【映画がはねたら、都バスに乗って】
Tracked: 2007-02-24 22:41

『出口のない海』
Excerpt: その日彼らは死ぬために回天に乗った。愛する人を人たちを守れると信じて・・・。     ■監督 佐々部清■原作 横山秀夫(「出口のない海」講談社刊)■脚本 山田洋次・冨川元文■..
Weblog: 京の昼寝〜♪
Tracked: 2007-02-25 01:15

出口のない海
Excerpt: 俺を軍神にさせてくれ!そうすりゃ靖国に奉られ、少なくとも家族には数十年間軍人恩給が支払われるんだ!
Weblog: ネタバレ映画館
Tracked: 2007-02-26 01:14

終わりがないのが終わり
Excerpt: 出口のない海 鑑賞 30点(100点満点中) 横山秀夫の同名小説を実写映画化。監督は同原作者の『半落ち』でも監督を務めた佐々部清。 横山秀夫の小説の特徴は、天才的なロジックによる物語構成と..
Weblog: (´-`).。oO(蚊取り線香は蚊を取らないよ)
Tracked: 2007-02-26 01:20

出口のない海
Excerpt: 戦争は昭和生まれの日本人にとって絶対に避けて通れない問題だ。 で、毎年のように戦争を題材にした映画が作られる。 戦争を忘れてはいけない、という意味では大変にすばらしい事なのだが、なにせ、みんな涙を..
Weblog: 八ちゃんの日常空間
Tracked: 2007-02-26 05:37

「出口のない海」命と引き換えに伝えたかった戦争への思い
Excerpt: 「出口のない海」は太平洋戦争末期に日本が潜水艦特攻を敢行して命を散らした将兵のそれぞれの思いが綴られた映画である。戦争は何時も上の決定と利害によって始まるが、その為に多くの尊い命を散らした事と愚かな発..
Weblog: オールマイティにコメンテート
Tracked: 2007-02-26 23:45

『出口のない海』
Excerpt: その日彼らは死ぬために回天に乗った。愛する人を人たちを守れると信じて・・・。     ■監督 佐々部清■原作 横山秀夫(「出口のない海」講談社刊)■脚本 山田洋次・冨川元文■..
Weblog: 京の昼寝〜♪
Tracked: 2007-03-01 00:05

『出口のない海』
Excerpt: 泣き度[:悲しい:]        2006/09/16公開  (公式サイト) 青春度[:よつばのクローバー:][:よつばのクローバー:][:よつばのクローバー:] 満足度[:星:][:星:][:..
Weblog: アンディの日記 シネマ版
Tracked: 2007-03-02 21:45

mini review 07032「出口のない海」★★★★★★★☆☆☆
Excerpt: カテゴリ : ドラマ 戦争 その他 製作年 : 2006年 製作国 : 日本 時間 : 121分 公開日 : 2006-09-18〜 監督 : 佐々部清 出演..
Weblog: サーカスな日々
Tracked: 2007-03-12 14:09

回天
Excerpt: 回天回天(かいてん)とは、人間が魚雷に乗って直接操舵し、敵艦に体当たりして敵艦を沈めるという兵器。第二次世界大戦中、大日本帝国海軍で特攻兵器として用いられた。人間魚..
Weblog: ももかの部屋
Tracked: 2007-08-21 06:26