
どうでもいい話になるんだけど
人前で話をするのがめっちゃくちゃ苦手である。
気のおけない相手の前ではだまらっしゃいなくせに。
ところがどんだけしゃべっても
なかなか思うように伝えられないのがジレンマで。
たとえばこのブログにしたってレビューにしたって
ダラダラと書き連ねることはできるんだが
もっと完結にわかりやすく言いたいことだけ過不足なく
言われへんもんやろかといつも悩んでる・・・
いやこんなこと書いてる自体が無駄話かな。(笑)
王室ゆえのきびしいしつけに加えて虐待があったりして
徐々にうまくしゃべれなくなり
さらにそれをちゃかされることでひどくなり、
結果性格までも内向的で癇癪持ちになってしまうなんて
ある意味かわいそうである。
さらには王位を継いだ兄をサポートする立場でいたかったのに
王冠よりも愛を選んだ兄に代わって自分が即位する羽目になり
ますます「しゃべれないではすまない」立場になってしまう。
ここに救いの手を差し伸べるのが妻のエリザベスと
吃音を矯正してくれたローグ。
そして感動のスピーチへと話はつづく
本筋だけおっかけるならなんてことないお話なんだけども
善良王ジョージ6世の誕生の陰で
彼を支えた二人の賢者の話というてもいいエリザベスとローグの
献身的な愛と友情。
長い間にズタボロになってしまった心を癒すには
彼が何を言おうと受け止める毛布のような存在であること。
身分とかとっぱらって親友のような存在であること。
まあこの件に関してはジョージは最後まで
ローグのことをライオネルとは呼ばなかったんだけど
それでも間違いなく誰よりも信頼し、
心を開くことのできる相手になったわけで。
その中でヨーク公、のちのジョージ6世の心の闇が明らかになってゆき
言い争いを山ほど繰り返すなかで確実に育まれていった絆と
人を感動させる演説ができるとこまで回復していくさまが描かれます。
吃音を治すというよりは
心の傷を探り、心の声を聴くことで彼を立ち直らせる、自信持たせる。
国王として民を勇気づけ国を一つにする力をもって
皆に呼びかけるとこまでいくわけですから
彼のもつ素晴らしさを引き出す・・・すごいことですよね。
ただ単にふつうにしゃべれるようになっただけで
そこまでの演説はできないわけですから
そのあたりは彼本来がもっている王の内面なわけです。
このへんはまるで
マイフェアレディかプリティウーマンかって感じ。
しゃべれるようになるだけで「善良王」になれるわけないんだから
逆に言えばそこが解決したらこんだけすごいひと・・・ってことですよね。
主演はあくまでもコリン・ファースなんですが
脇役のようでトリプル主演というてもいいくらい
ローグ役のジェフリーラッシュと
エリザベス役のヘレナ・ボナム・カーターがいい♪
映画のメインはジョージとローグの「会話劇」
吃音なのに?といいたいとこですが実はものすごく丁々発止のしゃべり。
怒ってたり歌ってたりするときはよどみなく話してるんで
実はものすごくしゃべってるわけです。
実際はヘレンケラーとサリバンかいってくらいその矯正は困難なんですが
コミカルで、でも愛にみちていて
そこまでたどりつくのが大変だった分だけ思い入れが強くなってしまって
ラストのスピーチは見ててギュっと手に力がこもってしまいました。
どうか無事終わりますようにって身内の気分で見てしまってましたね。(笑)
傷ついて閉ざした心を開くには
それ以上の愛で包み込むこと。
もちろん本人の努力も必要ですが
この献身的な愛で王を支えた二人の賢者に感動します♪
史実に基づいた映画なんですが妙な親近感をもって眺めてました。
普段もそうなんですがコレ思いっきり映画の世界に入り込んでました。