
シェーン・アッカー監督が作った11分の短編CGアニメを
80分の長編映画に作り直したというもの。
ティムバートンはあくまでもプロデュース、でも
ポスター宣伝はやたら彼の名前がドーン。
それもまた戦略。
アリスで若干がっかりしたんで、相当期待していって
・・・う〜ん、ダークファンタジーだけど
イチから作ったわけじゃないから
バートン色(あくまでも私のイメージですけど)ではないわけで。
ただ、イマドキの3D映画ぶっとびの映像には感動したな。
2Dでここまでリアルな質感を出せるんなら
X-PANDなんかいらね〜〜。めがね重いわ、暗いわ、ブツブツブツ。(笑)
まだまだ全国にI-MAXはないし
むやみやたらに3D行く必要ないじゃんと思わせてくれた作品。

↑いや〜No7がむっちゃかっこよかったっす!
戦うオンナは美しい。人形ですけど。(笑)
表情を持って言葉をしゃべると
最初こそ違和感があってももうそれはまるで
人間と同じように見えてくるわけで
こっちもどんどん感情移入していくわけです。

物語はNo9が目覚めるとこからスタート。
AIをもった機械によって人類が滅びたあとの地球で
9体の人形が機械獣と対決するという・・その世界観は
ビミョウにターミネーターっぽく、
まあどっかでみたこときいたことあるような感覚はあるものの、
主人公が麻布でできた人形にカメラのシャッターみたいな目ってのが
なんとも味があったりなんかして。
勝手なストーリー想像ですけど
9を作った博士=機械獣をつくっちまったひとで
自分でつくったもんは自分でなんとかすべく
自分が亡くなる前になんとかして機械に対抗できるものを作ろうとして
9体の異なる性格をもった人形を作った。
自分の持つあらゆる性格を9つにわけて。
エヴァのマギシステムみたいなもんですな、
あれは開発した赤城博士の分身、
オンナとしての自分母としての自分科学者としての自分という
3つの性格がせめぎあって答えをはじき出すコンピューターでしたから。
話をもどして。
目覚めたときに持っていたちっちゃな機械。
それがよりによって機械のボスキャラが稼動してしまうキーだったから
さあ大変。
仲間がさらわれるわ、魂抜かれて動かなくなるわ
機械に取り込まれてしまうわで
どんどん減っていく。
それでも知恵と勇気と団結でもってなんとかするわけですが。
博士にしろ、No9にしろ、
まあ自分で落とし前つけましたってことで
(・・・ソレイウタラミモフタモナイッテ・・・)
11分の短編も見たんですけど
コレが卒業制作ならどんなすごい金の卵やねんという作品。
尺を伸ばして豪華声優陣を配置して
劇場版になった80分のナインはこれはこれでいいのだけど
どうも脚本がイマイチっていうか
サイレントで想像するほうがよかったんちゃうんかって。
11分でギューッとつまったものを説明つけたわりには
どうもまどろっこしいというかぶっちゃけ絵はきれいだけど
伸ばしただけの意味がどんだけあるかって話で
80分を生かしきれてなかったんとちゃうかなって。
・・・っていうとまたミノフタモナイ・・・。
ただ、とにかく映像はすんごく満足。
このクオリティにばっちりあうストーリーテラーがついたら
化けるだろうな〜って。(またえらそうに・・・笑)
ラストの魂が解放されるシーンが良かったなぁってぐらい。
でもあの驚異的な映像美ははっきり覚えてます。修理するのに針を
刺すあの麻布の質感ときたら!実写か?と思ってしまうぐらいです
よね。
短編より映像ははるかにハイクオリティ、でもストーリー性は平凡
になってしまった、そんな風に思っています。
私もかなり前なので、映画の記憶はおぼろな部分もありますが
KLYさんもおっしゃるように麻布の質感がすごかったですね。
2Dでここまで出来るんならまだまだ3Dにこだわらなくても
映画は十分めがねなしで楽しめると思いましたよ。
縮尺を伸ばしたからといって必ずしも深みがでるわけではなくて
その伸ばした部分で何を詰め込めたのか・・・ですね。
余計な説明になったのか、伸ばしたわりには伸ばした意味がなかったのんか、
映像美が格段によくなった分よけいにもったいなかったかも・・・