それぞれが主役級の豪華6大女優の競演。
ま、まあ某CMの企画もんかいってツッコミも
ないわけではないんだけどね。
2時間の中にそれぞれの心の葛藤すべてを出すことは
ムリかもしんない。
でも、その表面しかなぞる事が出来なかったとしても
女性の誰もが過去の実体験と映画のそれを重ね合わせたり
誰かの気持ちによりそって感情移入できるような
作品ではないかと思う。
あるいは、こうありたいと思うような作品だった気がします。
蒼井優ちゃんが一番若いのに時代設定が一番古いので
このメンバーのおばあちゃん・・・
で、この娘、その孫、さらに続いていく命のリレーを
描いたもの。
そんな時の流れの中で
それぞれの時代の雰囲気や、それぞれの女性の生き方、
結婚観なんかを時系列を多少前後させて見せてくれます。
蒼井優演じる(凜(1936年)) が、もし結婚を拒んであのまま
脱走していたらこの話は続かないのですが(おいおい)
正直、母のひとことで
納得するかいっていうのはありましたけど、
その時代は良くも悪くもそういうものだとうけいれて
生きていた時代だったのかもしれず、
最初のうちは、じょおだんじゃないわよぅ〜なだった事も
このエピソードの最後では妙に美しく、
なくしちゃいけないものに思えて。
なんていうか、頑固オヤジも楚々とした娘も
今じゃ絶滅危惧種やな〜という目で見てしまって(!!!)
三つ指ついて頭を下げる娘に背中むけてワーワー泣きながら
万歳する父って。なんか感動した、うまく言えないけど。
で、この次の世代になって
やっぱり
女性も男性と対等に仕事したいもん、なめるんじゃないわよ〜が
出てくる。
でもやたら威勢のいい女の子でいるわりには
恋愛に関してはむっちゃ正直に悩んでて(笑)
傍目には気持ちバレバレでむっちゃ可愛い女の子を
田中麗奈(翠(1969年))が演じてる。
・・・相手が河本ってのはサプライズ?!(笑)
で、この相談相手になってるのが、エロい小説家、
長門裕之さんのキャラがまたいいんだ。
竹内結子(薫(1964年)) のダンナが大沢たかおって
そこだけカッコよいのは、ああ、そういうことですか。
(え、そういう納得でオッケーでしょ?
野ばらと同じパターンですな)
しかし、時代設定に忠実にとはいえ、
大沢たかおのその外見は
あまりにダサダサダサ・・・(わわわわわ)
竹内さんの笑顔ってホントにふんわりしてるのね。
明るいというよりほわんとあたたかい。
髪を切ってイメチェン・・・はいつの時代も
そこから新しい一歩を踏み出す予感がありますね。
仲間由紀恵(慧(1977年)) のは
命と引き換えに子供を生む決意をした優しき母の笑顔。
彼女のエピ自体はそんなに掘り下げて描かれないのですが
コレは彼女の残した二人の子供のエピに
がっつり絡んでくるんですね。
かくして三世代目。
仲間由紀恵 の夫役が当然年老いて
あれ、イノッチから平田満さんに。(ああでも似てるかも・・・)
で、その娘に鈴木京香(奏(2009年))と
広末涼子(佳(2009年))。
お父さんからの電話で凛のお葬式に出向いて
父娘が顔をあわせる。
シングルマザーになる事を決めたものの
心が不安定な奏と
自分が生まれてこなければ母は死なずに済んだのにと
かつては悩み苦しんでいた桂。
奏が切迫早産で入院したときに
思わず母体を優先してくれと口にしてしまった父は
桂に謝るが、
桂は笑っていう、生きているだけで幸せなんだと。
母の分まで生きるって決めたからと。
それでも心にトラウマがあるからこその明るさを
本当に救ってくれたのは母が残した手紙だった。
そしてもちろん奏の迷いもこれでふっきれるわけです。
・・・いやもう、このシーンは泣きましたね。
うるうるうる・・・。
結婚すること子供を生むことがすべてではないし、
それがイコール一番の幸せとは言えない。
あくまでもそこは個人の価値観だから。
でも、そうやって命のリレーをしていく中で
女性は優しさと強さを身に着けていく、
そして悩み苦しみもがいたあとに凛と顔を上げた姿は
何よりも美しい。そういうことを言いたかったのでは
ないですかね?
資生堂がバックアップしてるだけに
メイクやファッションなんかは時代設定に忠実に
描かれてるんでしょうね。ALWAYSのVFXとはまた別の意味で
いかにもあの頃こんなでした〜な雰囲気と
おそらく映像もこんな色でした〜なレトロ感出して
そういう映像の見せ方にもこだわっていて
技術的なことはようわからんけど
何本もの映画を見たような気分になりました。
個人の心の葛藤があんまし描かれなかったんじゃないかと
不満な方もおられるかもしれませんが
同じ女性としては案外脳内補完できるかもしれません。
あくまでもワタシの解釈でということですが。
PS:いっこだけツッコミ。
翠と薫はなぜ葬儀に来なかったのかな?(わわわわわ)
三世代家族の物語でそこ省略はあかんでしょ・・・。
イノッチと平田満さんなのに、なんで河本なのか。(笑)
まあそれはさて置き、映像表現の素晴らしさ、そして
3代に渡って連綿と続く女性中心の家族の絆。
思わず母親に感謝したくなる作品でしたよ。女性は偉大だ!
この時代こんなふうでしたよね〜っていう懐かしさもありで
その映像の凝りようは感心しましたね。
そこを見るだけでも面白い映画だったかと。
レビューでも書きましたが
結婚出産がオンナのすべてではない、ないけれど、
これは女性にとっての分岐点。
そこでどう行動するのかはそれまでの人生経験も
それからまわりのひととの関係も影響するけれど
そういうことを実際に経験しなくても
自分だったらどうする、どうなるに置き換えて見ることも出来るし
そういう思いを通り過ぎてきたひとには
その人なりの感想を持つ事の出来る作品かと思います。
見た女性には多分どこかしら誰かとかぶるものが
あるのではないかな・・・。