コレだけ無表情で淡々と語られると怖い。薄ら寒い。
松たか子から笑顔をとると、
いや、負のパワーをフルスロットルで表現したら
こんなふうになるんだ・・・。
涙を流すシーンでも場面によってその意味合いが違います。
怒りでも悲しみでもむき出しにしてきたら
それはそれでこちらの感情に訴えるところもあるのですが
あきれてものも言えない、こんなヤツに
娘が殺されたなんてってそこで笑うんですよね・・・
なんていうかまわりすべて拒絶していて
コチラが何かツッコミをいれられるような
そういうもんじゃなかったです。ワタシの言動について
他人になんかナンも言わせへんでという壁。
・・・ホントに怖いひとは吠えません。
小説を読んだときは
一番恐ろしいのは彼女だと書いてしまいました。
でも映画みてちょっとニュアンスが変わりました。
残酷さと負の純粋さと慈愛が同居するっていったいこのひと
なんなんだという・・・。
復讐といいながら取り乱してもいないし、
でもそれはかなりじわじわ真綿で首絞めるような
いやらしさがあって、
直接刃物を振りかざしたり、罵声をあびせつかみかかるよりも
もっとグサグサくるやり方で追い詰めていくんですが
それでも最後に
ここからあなたの更正がはじまるんだよと言うときには
涙を流してまっすぐ子供の顔と向き合っていて
(ただし前髪ガシッとつかんでますけど)
顔にあたたかい感情が見て取れるんですね。
いやもう恐れ入りました・・・・。
小説では実際に血液を混入するものの、
飲む前にダンナにすりかえられて事なきをえるのですが
森口先生がそれを知るのは終業式の告白の後という設定でした。
いくらその程度で感染や発病はしないとしても
先生が「本当にそんなことをした」としたら
その行動に対しての
ショックは計り知れません。
その部分は
「先生は精神的に少年A・Bを追い詰める事には成功したけど
主人に止められてさすがに”実行はしなかった”」
というふうに映画では演出されていました。
入れたのを飲んだのよ・・・「な〜んてね」に変わったとしても
命の授業にしては冗談がすぎますよね。
実はこの映画に出てくるメインキャストは
全員加害者であり被害者です。
ひとり道化を演じてしまったウェルテルもまた
なんにも気がつかないバカという意味において加害者で
利用されてしまったという意味で被害者でもあります。
なんていうかこれだけひどい負の連鎖はないですね。
中学生の子供にはまだまだオカンがいないとダメで、
実はまだまだ精神的に不安定で、甘えたいさかりで、
ちゃんと守ってあげないと何するかわからんわけで
ランドセルが学ランになったからというて
背が伸びるように出来たヤツになれるなら誰も苦労しない。
少年法で守られているってのは
罪を犯しても許される・・・という意味ではなくて
罪を犯してることすらわからへんような子供にすんなという、
警告なんだと思います。
子供のことがちゃんと見えているか、気持ちわかってるか、
それが出来なかったがゆえの少年犯罪は
子供を罰するよりもとりまく大人の育て方に問題があるという
考え方なのかもしれませんね。
でもその罪のなすりあいは
親が悪い、教師が悪い、友達が悪い・・・・。
モンスターペアレントがいる反面で
パラサイトな子供がいます。30になっても40になっても
庇護から抜けようとしない、自立する気もない年老いた子供。
これもまた悪いのは子供だけでしょうか?
少年犯罪がどうこうというよりは
大人の、特に母親の立ち位置がどんだけ影響すんのかを
見せ付けられたような気がしました。
見終わって固まる、思いっきり凹む。
信じられんくらい深みに突き落とされてしまう。
とにかく呆然でした。
でも、どこかで
これくらい徹底的にやっちゃうとスカッとしている
自分がいます。こんな言い方ですいません、
むっちゃ非難されそう。
本を読み終わったときの感想以上に実は面白かったです。
いや、ホント言葉を選ばないとむっちゃ不謹慎ですが
すっかり見入っていました。
R15の映画です。
でも、年齢制限なんぞいくら設けても
いくらでも目にすることはできるでしょう。
ただ、その後の感想をちゃんと語り合える大人がいてほしいし
見た後の子供たちの心のケアが出来る状態である事を条件に
むしろ子供たちに見てほしいと思いました。
でも正直、二十歳を越えたうちの娘といっしょに見たとしても
ワタシは適切な言葉で向かい合える自信はありません・・・
老婆心ですが、
この映画に参加したB組の子供たちが
この映画によって世界を絶望的なもんだと思わないように
くれぐれも彼らの精神的フォローが出来ていることを
切に願います。
ものすごくディスカッションをして撮影に臨んでるはずです。
むしろそちらのコメントが見たかったですね。
パンフでも宣伝でも・・・・・。
危ない物を避けて通るのではなく、
醜いものを見ないのではなく、
それに触れて傷ついても苦しんでも
それをくるんでくれる、希望をもたせてくれる、
そんな大人たちの中で育ちますようにと・・・・。
しかし韓流が人間臭いのに対して、中島監督は徹底して人間の負の感情だけに純化したようにすら感じます。だから余計怖かったです。
仰るとおりDVDになったらどうせ借りれるんです。だったら普通に見せればいいんですよ。ただし親同伴でとかね。自分たちの世代の話をその世代に見せなくてどうするのかと。
これが中島監督お得意の「ぜんざいに塩を入れる」ような演出なんですよね。
本当にこれがなぜか妙に不思議と見事に合っているんですから、この監督のセンスたるや、恐ろしか〜もんですね。
B少年の母親役、木村佳乃が彼の母親だけならいいんだけど、大学生の子がいるのはちょっと可哀想だったのと、彼女の句点の書き方が気になりました(爆)数字の「0」のように左回りに書いてたよね(笑)
てか・・・
やはり子どもには見せたくない映画でした。
特にこの子達は13歳だしね・・・中1と中3の差は大きいとは思うけど、やはり高校生以上が観られる作品でよかったと思います。
韓流のそれとは確かにテイストが違うんですが
コレはどう考えたってバッドエンドでしょ?
なんていうか、
復讐する相手を苦しめる、精神的に苦痛を与えて反省させる、
そこまでならまだしも
終業式の告白からはじまった負の連鎖は
死ななくていいひとまで死んだ。やっぱりあかんとおもうんですよ
こういうのって。
中学生に見せなくてどないすんねん、
でもホントその見せ方が問題で、
だからこそのR指定で・・・。
子供がダメなら中学生の子供を持つ親御さんの
感想がとても聞きたいですね・・・。
ホント「ぜんざいに塩をいれる」って言いえて妙ですね。
ポップな音楽が合うわけないのに合ってるし、
でもだからといって明るいのかというとものすごくブラックだし。
いや恐れ入りました・・・。
うん、ホントは子供にこんな世界を見せたくはないけど
自分の娘でさえ、靴隠されたとかありましたし、
誰が誰の彼氏だったのに今は誰の彼氏で〜みたいなことで
昨日の友が今日の敵っていうハミゴやイジメみたいなのが
フツウにあって、
まあ彼女たちは平気で飛び越えていきましたけど
それがもっと話が大きく深くなったら
いつ何時ココまでひどい事件になるかそれはわからないんで、
コレは何も映画の世界の話じゃないよと
マジで中学生の子供を持つ親には見てもらいたいですね。
ましてやこの教室のなかの犯人Aへのイジメの話は
「殺人をしたやつが普通に登校してきてええん?」っていう
ねじれた正義感の上の話なんで、実は根はいいこだから
たちが悪い。
同じ位の子供を持つ親とできるならその子供で見てもらいたいですね。
何をどう感じるか、もう親子で全然違うと思いますが
表向きの模範意見じゃなくて
本音でぶつかりあったら結構すごい意見が出てくると思いますよ。