空飛んでばっかだったオトコが
あらゆる意味で「地に足がついた人生」を送ろうかと
方向転換したとたんに足元すくわれてもたと。
(・・・ハイ、またむちゃくちゃ言うてます)
人は自分の生き方をそう簡単に変えられない。
解雇されて戸惑う人たちは
別の適職につくことで別の人生が開けるかもといわれても
目の前の現実として
どうやって家族養うねんとか
ここまで築き上げてきたキャリアを
この年で捨てられるわけねーだろという
ごもっともな怒りとこだわりと
ぶっちゃけ明日からどう稼ぐねんで思いっきり苦しむわけで。
で、コレを裁判沙汰や事件にすることなく
穏便にクビを納得させるのが
ジョージクルーニー演じる、ライアンなわけですが
コレが新入社員のナタリーの出現によって
マイレージを貯めるシュミどころか
ひとつ間違えれば
自分自身の解雇の危機までいっちゃうわけです。
合理的な仕事で時代についてかないと
恐竜になっちゃいまっせって上司から言われるわけですから。
それでもネットで一方的に解雇通告をするには
まだムリがあると説いても聞いてもらえず、
直接面談することによって
溺れているひとをとりあえず
自力で泳げるようにしてあげるとこまでは持ち上げる思いやりが
必要なことをナタリーに教えるために
しぶしぶではありますが
二人でしばし飛び回ることになります。
で、このナタリーが
ライアンの人生観やら恋愛観にビミョウな影響を
与え始めます・・・。

一方で、旅先で知り合い意気投合して
その場限りのラブアフェアの相手として選んだのが
アレックスという魅力的な女性。
後腐れなく楽しむだけ楽しむ・・・っていう
気持ちに余裕のあるうちはよかったんですが
コチラもまた思わぬどんでん返しが待ってます・・・。

アレックスにシフトして話を進めますが
振られたと号泣するナタリーをライアンがなぐさめてるとこへ
アレックスが現れ
なんでか3人で飲むシーンになるんですが
夢と希望に満ち溢れてる20代のアナの
恋愛観は青い(爆)
で、さすがに一回り上のアレックスは
大人のイイオンナの余裕で自分の理想の男性像を語るんですが
・・・なぜかココで
「子供が好きなこと」が出てきた段階で
おや?って思ったんですね。
彼女がシングルであれば、ライアンとここまで
冷静に付き合えないだろうと思ってたところへ
この条件て・・・。
「オンナの自分よりも収入があること」
「優しい笑顔」
・・・・こいつ家庭もってんのとちゃうん?
ビンゴでした。
逆に、「バックパックに入らないものは背負わない」
それは荷物も人間関係も極力軽くと
それをポリシーに生きてきたライアンが
そもそもカートに入らない、身内のパネルをねじこんで
旅をしているうちに、
どんどん
ひとりでいることの気楽さより
誰かといることの幸せがほしくなった、
この変化に自分がついていけなかったこと、
冷静でいられなくなったことが
シカゴでのあのむっちゃ可愛そうな凹みシーンに
つながっていきます。
ライアンみたいな考え方の独身貴族はいっぱいおるやろうし、
ライアンが家族と和解し、いい意味での人間性が
その心にプラスされたことは本来喜ばしいことなんですが
彼にとってのこの人生の方向転換は
実はもてあますほどの戸惑いと孤独をもたらしたかもしれません。
大人だからなんでもないフリをして
やり過ごすことはできるかもしれませんが
彼のその後が無性に知りたいと思いました。
結局元通りのライアンになってしまうのか
落ち着くとこへ落ち着いたのか。
解雇を言い渡されたときは家族を重荷に感じていたのに
家族がいなければ立ち直れなかったと笑う人たちの
ショットが続いたあとに
フライトの予定を見上げているライアンの顔が
むっちゃかわいそうに思えたのは私だけでしょうか?
あれだけ憧れの機長とツーショットで話をすることを
夢見てたのに、7人目のカードをもらっても
ちっともうれしそうじゃなかった、
そういう、ココまで夢中だったものやら
信念みたく持ってたもの、歩いてきた道までもが
たったふたりのオンナの出現でもって
み〜んな色あせてしまったように見えて、
なんか彼には何もいいことなかったような気がしないでもなく。
冒頭タイトルでも書きましたがアレックスに話を戻すと
ナイスバディ、自立、順調な仕事、
子供を持っていても世界を飛び回る事がオッケーな
理解あるダンナと
それでも抱えるストレスを発散させるために
オトコと遊ぶ。しかもバレてない。
帰る場所と守ってくれるひとがいる家庭はごっつ円満。
いやもうそんなにひとりで何でもかんでも持つなて。(笑)
話がうますぎる、いやずるすぎる・・・(そこいくか〜〜)
アメリカの「スイートリトルライズ」は
もっと強烈でした!(オイっ)
PS:空旅の薀蓄、旅なれた男のスマートさはなかなか。
でもそれよりすごかったのはやっぱりアレックスだわ〜・・・
(まだ言うか〜〜)
TB&コメント、ありがとうございました!
この映画は奥が深い内容でしたよね〜。
この映画に登場するライアンとナタリーとアレックス。
3人とも全く違ったタイプの人間でしたが、
冒頭では自分の生き方に各々が自信満々。
それがボタンをひとつ掛け違えたかのように
ガタガタと形を変えていくその様子は
本当に見事に描かれていたと思います。
高く掲げていた人生の目標や望みを手にした時、
自分は何を思うのだろうか…
そこに本当の幸せを感じるのだろうか…
そんな事を考えさせられるような作品でした。
うーん…やっぱり奥深い映画です。
並の男は彼女には太刀打ちできません。
あのライアンでも、そうだったんですから…。
しかし、途中でアレックスが家庭もちと見抜いちゃうAgehaさんも
すごい。
生き方はひとつじゃないし、何かあったらそこで考えればいい。
でも柔軟な対応って結構年取ると難しくなったりしてね。
子供の頃みたく感情的になったり、投げ出したりすることはないけど
信じてたものがぐらつくと、表向き器用にかわすことはできても
おたおたするのは年取ってもいっしょ、いやそれ以上かも。
いやホンマ深イイ話でした・・・。
いやシングルで自由恋愛に生きるオンナなら
理想の男性にこの会話で子供好きを入れてこないっしょ?
収入も関係ない。自分と遊ぶ金さえ持ってればいいわけですから。
金持ちに越した事はないですけどね。(笑)
ライアンの顔みて笑ったときに
『だからアンタは遊びの相手であって本命じゃないんよ』って
線引きしてたように見えたんですよ。
・・・うわ〜割りきっとるな〜って。完全にうわてでしたね。
フツー自由に遊ぶか誰かひとりだけを思うか
どっちかにわかれるはずなんですが
ダンナは大事、でも仕事も家庭もストレスがあって
それを払拭するのが「別の男」で
ご機嫌になってから笑顔でダンナんとこ帰るって
ありえないっす・・・・・。