食堂かたつむり(ポプラ文庫) (ポプラ文庫 お 5-1) | |
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ハイ、更新がとまってましてどうも。
ここんとこ映画も見に行けてなくて。
ホントはこの話もスタッフブログでもいっかいとりあげますが
入荷が遅れてまして・・・。
映画化を前に文庫になります。
店頭に並ぶのはもう少し待ってねと。
だいぶ前にハードカバーで買って読んでたんですが
そういやUPしてなかったんで
再読して感想をば書こうかと・・・。
食べ物がやたらおいしそうで
おなかがすく映画といったら『かもめ食堂』なんですが
コレ意外と原作は食べ物そのものよりも
女性の生き方のほうがメインだったりするんですね。
映画はとにかく作ってるメニューの映像がグッドで
そっちばっか目が行きましたけど。(笑)
もちろんこの作品も映画化となるとおそらくは
食べ物がおいしく見えないとアウトだと思うんですが
小説ではとにかく、
食材をむっちゃ大事にしてる、
どう料理したらおいしくなるのかわかる、
誰に何を作ればいいのかがわかる、
いやもう主人公の倫子ちゃんのすごさに脱帽。
料理人としての姿勢がすごいわ〜と。
作るのが好きっていうだけじゃなくて、
『命を食べることで自分たちは生かされている』
そんなことを認識して
ありがたく調理してます、食べてますてのは
日ごろなかなかそういう境地にはなりませんので(笑)
だもんで、料理の神様に愛されてるんだなと。
だからこそ、「ジュテームスープ」が作れる。
人の願いをかなえる料理がつくれるんだなと。
一日一組。
んなもん経済的にムリっしょとかいうツッコミは
なしでよろしく。
小さな村のかたすみでひっそりと
誰かのために料理をつくる。
世界でひとつだけの、そのひとのための、
そのひとに必要なメニューでもてなす。
とにかくそこにある暖かさとか
料理に対するストイックさと愛情に感動してました。
忙しかったり、いらいらしたり、めんどくさがったり、
最近そういやここまで心こめて
誰かに作ったことあるかなって。
いっしょに店をもつはずだった恋人に
なにもかも持ち逃げされ、声までなくした主人公が
長いこと断絶してたおかんのもとへ帰って
ちいさな食堂をはじめるお話。
もちろんいいことばかりではないけれど
おそらくはそういう出来事を乗り越えていく過程で
自分が成長するように、料理もまたうまくなるのかもしれず
誰かのために特別な料理が作れるようになるのかもしれず。
ものすごくリピートして書きますが
誰かに作る、喜んでもらう、
そういう作る楽しみや笑顔だけで幸せになれる気分を
長いこと忘れてて(コラ)
その気持ち取り戻せたら食卓は楽しくなるんじゃないかと
ふと思ったわけでして。
家族で同じ時間にご飯食べることがめっきり減ったために
どうしても手抜きだったり、
食べてても味気なかったり。
そんな自分にとって、
とにかく『食べる楽しみ』イコール
『誰かといきていく喜び』みたいなもんを
あらためて考えさせてくれるいい作品でした。
さらに自分のためだけに作るのと誰かのために作るのではさらに違うかと。
>『命を食べることで自分たちは生かされている』
忘れてしまいがちではありますが、たまには思い出したいものです。
と似合わない真面目なコメントにて失礼。
余談ですが、ふるさんの画像がハイテンションになったら
嘉門さんとビミョウにかぶる気がしました。(笑)
食事は誰かと食べるほうが絶対においしい。
それは誰かと生きてくほうが人生絶対楽しいのといっしょで。
・・・ま、まあいいことばかりではないですけどね。
きっとね、食べてくれるひとの喜ぶ顔が見たくて
そこはがんばっちゃうんだけど、
そういう気持ちなくしちゃうと料理ってとたんにおいしくなくなるの。
けっこう生き物・・・な気がします。
と、こちらも神妙になってみました。(笑)