感動もんでした。
ロードショー段階ではね、
孤独な老人が隣の家の少年と仲良くなることで
心を開いていく、単純にそういう話かと思ってたんで
パスしてしまったんですが。
うわ〜〜、見とくんでした。(コロッと変わったよホント)
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偏屈なわけも息子たちとうまくいかないわけも
実は過去に体験した戦争の記憶が自分をさいなんでて
おそらくはそれを心配した奥さんが
死ぬ間際に牧師さんにくれぐれもよろしくって
伝えたんでしょうね。
ダンナに懺悔をさせたかったのは
いつまでもそのことに苦しまないで
もっと心を開いて心穏やかに過ごしてほしいと
願ったからではないでしょうか?
最初のうちこそ馴れ馴れしくウォルトて呼ぶなって
言うてましたけど
最後にはその牧師ともうちとけて
クライマックス前にちゃんと教会へも行くんですな、コレが。
話は奥さんの葬式からスタート。
口が悪いのも頑なな態度のせいもあるんですが
どうも家族とうまくいっていないらしい
主人公のウォルト。
しかもアメリカにあってまるで彼だけが異邦人かのように
まわりはモン族の家庭が家を連ねてる。
隣に住む少年と少女を助けたことから
家族よりよっぽど暖かい心の交流がはじまります。
もともとはええひと、面倒見のいいひと。
人に優しくしたいと思ってる。
まあ、口は悪いけどね。それさえだんだん
笑える会話に変わっていきます。
Agehaさんには車のことはようわかりませんが
どんな車を選ぶか、それ自体が
そのひとをあらわすもんだったりするんですね。
最初は外見やスピードにこだわるんだろうけど
だんだん強度や安全に関心がうつっていったりなんかして。
人の考え方がその車みたらわかるほどに。
そしていい車は親から子へと引き継がれていく。
もっともあのグラン・トリノは
ウォルトの身内にわたすよりはあれで正解だよね。
きっとタオなら
ウォルトの思い出や愛の深さといっしょに
大切に乗ってくれるはず。
磨いた車が夕日に照らされてるのを
ビール飲みながらロッキングチェアで眺める至福の時間。
・・・コレは車好きなひとにしかわからん感覚でしょうけど、
タオがそういう大人になりますように・・・。
それはきっととってもカッコいいこと。
老い先短い一人暮らしに追い討ちをかけるように
病魔が忍び寄ります。
そんなとき自分が良かれと思ってやったおせっかいのために
逆に暴行事件が起こって
その解決に命張って乗り込むわけですが・・・。
かつてその一瞬の判断のために
命令もされていないのに、
若い少年兵を殺してしまったことへの罪の意識。
ずっと自分を責め続けて死と向かい合ってきた彼が
これからの少年を助けるために
これ以上哀しい思いをさせないために
とった行動はかっこよすぎて泣けちゃいました。
そこまでするかというくらいに。
復讐でなく、命がけの説得だったんですね・・・。
逮捕されれば少しは反省もするだろう、
タオたちも安心して暮らせるだろう。
何よりもタオに罪を犯してほしくなかったから
守りたかったから、
その愛情の深さにもう、うるうるしちゃいました・・・。
外見上は彼の態度は一貫してるんだけど
最初と最後でこうも別人に見えるとは。
恐れ入りました。クリントイーストウッドって
やっぱりすごいわ・・・。(月並みな感想ですいません)
ウチのブログにコメントありがとうございました。
>外見上は彼の態度は一貫してるんだけど
最初と最後でこうも別人に見えるとは。
そうなんですよね!この一貫性と変化がいっしょになっているところが実にスゴいのですね。
う〜む。また観たくなってしまいますね〜
復讐でなく説得だったというのも、なるほどぉ。そうですね〜。
また寄らせていただきます〜
宣伝から受けるイメージとか
どんな人気者イケメンが出てるのか
もうそういうとこばっか見るので
公開当時完全にスルーしてて。(爆)
そういや「ミリオンダラーベイビー」も
DVDで見てえらく感動したんだっけ。
もっともあれもまたある意味命にかかわることで
ある意味人生の幕引きで・・・。
こういうの描かせるとうまいんだなきっと。
自分自身が人生の折り返し地点を過ぎているので
じーちゃん・ばーちゃんが活躍する、あるいは
ドーンとメッセージをくれる作品に出会うと
妙に入れ込んで見てしまいます。
たかが映画だ、娯楽だと思いながら
ココから先の未来の自分へ
理想の生き方みたいなもんのヒントを
無意識のうちに探しているのかもしれません。
・・・な〜んてね。
もうこんな凄い映画が撮れる監督は世界広しといえども、彼だけでしょう。
本当にこの偉大なる監督にだけは長生きしてほしいと心から願ってしまいますよ。
コレが最後っていうて宮崎駿だってアニメを
作り続けてる。
これからも俳優として監督として
映画の世界でかっこいいオトコの背中を
見せ続けてほしいと思います。
ふだんはね、そらかわいいとかかっこいいとか
ついつい愛でるものを追いかけるんですが(爆)
年を重ねてキャリアを積んではじめて
内側から出てくる魅力ってありますしね。
それも年とりゃいいってもんじゃなくて
そのひとがその年月いかに過ごしてきたか
経験だけじゃないその人のココまでの生き方が
作った作品にも演じた役にも出る。
・・・いい年のとり方をしたいと切に思います。
映画の感想とは別に
クリントイーストウッドそのものにも
憧れますね・・・。
私もDVD鑑賞になりました。
>どんな車を選ぶか、それ自体が
そのひとをあらわすもんだったりするんですね。
私も車には興味なくて〜。。。
車に拘る男の人たちがよく解らんかったワケですが、
この映画を見てたら、ちょっと気持ちが解る気がする〜。
グラン・トリノは、まさしくウォルト自身のようだし、
当然タオが受け取るべきだと思えましたわ〜。
しかし、あの孫たちは私でも「何だこいつら」もんでしたが。。。^^;
あんなのにグラン・トリノが渡らなくてホント良かった。
あのウォルトの決断を理解できるのはタオだけですもん^^
アメリカには
結婚するときにおばあちゃんの、
あるいはお母さんの指輪を彼女に渡したりするように
大切なひとに大切なものを譲っていく
習慣のようなもんがあって
車もまたしかりで、
親が大切にしていたものを
息子が孫が大事に乗る・・ことも
多々あるそうです。
・・・ウォルトにとっては
タオは家族同然だったんでしょうね。
値打ちのわかる、ホントに大切にしてくれるひとに渡したかったってのもあるだろうけど、
遺言書に明記して絶対こいつにやれってくらいだから、
相当彼のことが好きになったのだと思います。