2009年09月27日

ココ・シャネル〜レビューの前に。

ココ・シャネルという生き方 (新人物文庫)
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シャネル―スタイルと人生 ココ・シャネル―ファッションデザイナー (こんな生き方がしたい) シャネルの真実 (新潮文庫) ココ・シャネル―悲劇の愛 ココ・アヴァン・シャネル 上―愛とファッションの革命児 (ハヤカワ文庫 NF 350) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)


みんながクチをそろえて
シャーリー版シャネルがええと言うてるのに
何故かオドレィ版を推してしまうのは
おそらくたった一冊の文庫のせい。

8月真っ只中シャーリー版公開前に
入ってきた本で新潮文庫の「シャネルの真実」とともに
なんだかわからんけどすごく売れていた。
現在はハヤカワ文庫から発売された
「ココ・アヴァン・シャネル」上下が
もう露骨にオドレィトトゥの帯の影響で
わ〜っと動いてるけど。(笑)


シャネル本ってのは文庫に限らず
ものすごくたくさんのひとが書いていて
そんなかの1冊で彼女をわかった気になるつもりは
もうとうないんだけど、
少なくともこんな人だったんじゃないかなってのは
充分書かれてる・・・そんな気がしました。

上流階級に生まれついていれば
それだけで何もかも手中に収めている、
コルセットで締め付けることで
全身飾り立てることで
男に気に入られさえすればオッケーだった
そんな女性の生き方に真っ向からノンといったひと。
自分の幸せも地位もお金も
自分で手にいれたるわいっていう野心。
孤児だったという過去を恥じ、
夫に捨てられた形で貧しさの中病死していった母に
結婚にすがるオンナを否定する形で
スタートした少女時代は、
夢をかなえるためにどんな小さなチャンスも
逃さなかった、
それが第一のパトロン、エティエンヌとの出会い。

彼との間に愛がないわけではなかったろうが
ボーイカペルのほうが
彼女の生き方、考え方に賛同してくれたから
余計にこっちへのめりこんでいったようで。

もっとも、
「自力で成功はしたものの、あと
自分の社交界での地位をあげるために
どうしても上流階級の娘と結婚する必要があった」から
ココとは結婚しなかった、 
この辺の野心まである意味彼女と彼って似てたんですね。
で、やっぱり
生まれついたときのどうしようもない身分の差を
なんとかするために
ファッションで成功したお金を
今度は彼女が誰かの出資者になることで名を売っていきます。
あるいはものすごい大物と付き合うことで
時のひととなる。

自由になりたい。
それは誰かに仕える女からも
結婚によって養ってもらうことからも開放されること。
仕事して自立して思うがままに生きたい、
それは当時の感覚ではありえない話だったから
とにかく風当たりは強かった、
それでも昔から服をつくろったり縫ったりすることは
ずっとやっていたからそれをそのまま
武器にして、世界を変えようとした、
女性解放というよりはあくまでも自分のために。
動きやすい服も働くことを意識したから、
馬に乗るときにパンツなら横すわりより安定感がある
そういう実用的なとこからスタートした彼女のセンスは
実は日常生活においてうちらが今でも着ている服に
反映されている。
今でこそプレタポルテ、持ってることがステータス、
とんでもな値段のブランドイメージしかないけどね。

男性の庇護をうけない生き方。
あくまでも対等であろうとした。
あれくらい物事はっきり言っちゃうと
かわいくね〜って思うけど、
もうその辺が女性のワタシでもこう思うのなら
男性はさらにウヘ〜だったはず。(笑)
でも、その強さが必要だったとも言えるんだろうな・・・。

エティエンヌにもボーイにも借りたお金は
全額返済しているし、
金持ちの男と付き合うにはもらったプレゼントと
同等の贈り物をかかさない。
さらに将来成功しそうな芸術家のたまごを
見抜く目もさえていたようで
そういう人たちに惜しみなく出資していたから、
彼らが名声を得ることが彼女の地位や名声を上げていった。

ホント男だったら相当かっこいいなりあがりなんだけど。
女性であったということや
孤児だったということが
こんなにも彼女にとって大きな障害だったとはね。

友情から恋愛へ、わかれたとしても
その友情は変わらず続く。そのへんもすごいけどぉ・・・。

だもんで付き合った男性の数も半端なく、
彼女が金持ちになった後はその恋人のVIP度もすごかったし、
またその恋愛がそのままファッションへ生かされてたってのは
さすがに転んでもタダでは起きないというか。(笑)
エティエンヌとの出会いから
「付き合った男の服をリメイクしちゃう」癖があったそうで
それがそのままシャネルファッションの
素材・デザインに応用されるわけで
恋とファッションは密接です。アッパレ。(笑)


ココ・アヴァン・シャネルは
ただのラブストーリーだ。

・・・ある意味それは正しいと思う。

でもね、たった二人の男性との恋愛が
その後の彼女の生き方をはっきり決めてしまった、
そういう人物像を描きたかったのだとしたら
コレはコレで1本筋が通ってる気がしたわけで。

という、異端児の意見でした。(笑)
posted by Ageha at 13:30| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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