2009年06月25日

知らぬは一生の恥、抱えるのは十字架。〜「愛をよむひと」〜

う〜ん、確かに恥ずかしいこと・・・なんでしょうが、
そこまでして守る秘密なんでしょうか?
ここまで悲劇の連鎖になる前になんとかならんかったのって。


で、それ言うてしまうと身もふたもない話なんですね、コレ。

最初のうちは正直うわ〜って思う
艶かしいシーンが続きます。
でもコレがないと後に続かない。(コラ)

愛をよむひと02.jpg

15歳の少年にはあまりに刺激的で魅力的で
そらもうおぼれていくわけです。
そこに愛があったのか・・・その時点では
正直ようわかりません。
ただ、それがあって突然の別れがあって
8年後に再会するんだけど
法科の学生で傍聴席にいた自分が見たものは
被告人席にすわる彼女だったというお話。
・・・これだけインパクト強かったら
そら忘れられない存在として彼の心の中に影を落とします。

すべての元凶が彼女の秘密にあり、
またそれがマイケルとハンナをつないだ理由でもあり、
マイケルが愛を伝えるたった一つの方法だった。

重たかったです、また泣いちゃいました・・・。





ハンナの判決を涙を流しながら聞いてしまった
あの日から彼の中では時が止まってしまったのかもしれません。
初恋ってのは男にも結構大きな存在なのかも知れず、
それをどう通り過ぎたのかで
ここまでその人の人生にかかわっていってしまうんだなと
漠然とですが感じました・・・。


ましてや法に携わる人間として守らなきゃいけないものと
愛する人の気持ちを尊重したい思いとの板ばさみで
結局は後者を選んだものの、
有罪をひっくり返せたかもしれないという後悔に
さいなまれ続けるわけです・・・。

子供がいるということは一応結婚はした。
でも離婚してしまってる。
娘は父が自分と距離を置いていることを寂しく思ってる。
実は奥さんに対してもどこか心を許せなくて
それが原因で別れてしまったのかもとも考えられます。
誰に対しても心を開くことができなくなってると
お前のせいではないと微笑むマイケル。
でもそれって確かにどうしようもなく重たい十字架だけど
子供や奥さんてかわいそうじゃない???

で、彼はたくさんの本を読んでテープに吹き込み
ハンナの元へ贈り続けるわけですが、

自分で本が読めるようになったとき
そこに芽生えたものは忘れていた恋愛感情だったかもしれないし
それよりも彼女を苦しめたのは
取り返しのつかない罪を犯してしまったことの認識。

もう坊やではなくなったマイケルに
あの当時のような自分主導の恋愛などできなくて
どこにも行き場のない救われない思いを抱えて
年老いてしまった彼女の精神的なよりどころは
もうなくなってしまってたんですね・・・。

娘へのサプライズは
長いこと閉ざしていた心の扉を開くこと。
エンドはいくばくかの優しさがありましたが
マイケルとハンナの愛情物語は
あまりに重たいものでした・・・・・。
posted by Ageha at 02:23| 大阪 ☁| Comment(8) | TrackBack(18) | 映画、DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ハンナのほうから誘うという、未成年を相手にした背徳的エロティックさにちょっとドキドキしちゃいましたよ。(笑)男はみんなあの手に胸高鳴るはず♪

ただ残念ながらケイトはここまでって感じでした。あとは2人のマイケルにお任せってことで。判決を聞くマイケルの涙顔が今も心に焼き付いてます。
Posted by KLY at 2009年06月25日 02:34
マイケルを演じているのがレイフ・ファインズって、
どこかで聞いた名前だなぁと思ったら、
「ハリー・ポッター」のヴォルデモート卿ではないですかっ!
それだけでちょっと観てみたいと思いましたよ、この映画。
(たぶん、レンタル待ちだと思いますが・・・汗)
Posted by ひなこ at 2009年06月28日 20:49
KLYさん、どうも。

う〜ん、ワタシも同感かな。

裁判所で涙してたヤングマイケルも
朗読してたアダルトマイケルも
とてもとても魅力的だったので
ケイトよりも印象的でした。
Posted by Ageha at 2009年06月29日 00:07
ひなこさん、オヒサです〜〜♪

ヴォルデモード!!!
それはさすがに気がつきませんでした。
だってあちらは鼻ないんだもん、
顔変わりすぎてるもん(コラコラ)
この映画でのこのひと
かなりかっこよかったです。
・・・個人的好みとして(ははははは)

そうそうもうすぐ謎のプリンスが公開ですねっ♪
感想聞かせてくださいな。
Posted by Ageha at 2009年06月29日 00:11
こんにちは〜♪
切なく重たいお話でしたねぇ〜

確かにマイケルの奥さんと子どもは可哀想!!
ずっと心にハンナを引き摺ったままで結婚しちゃってさぁ〜

ハンナやマイケルの心情が読み難かったですが、何だか心に沁みましたよね・・・・・私も泣けてしまいました。
若マイケル君、初めて見る俳優さんでしたが、演技が達者で驚きました〜
Posted by 由香 at 2009年07月02日 17:34
由香さん、どうも。

ジェットリーはアンパンマンやし、
ヤングマイケルはムーミンやし、

アニメネタ、これからも続けてください。
(薦めるんかいっ・・・笑)

出所できたところでハンナはそこから先の人生を
どうやって生きていけばよかったんでしょう?
ひとつの秘密はここまで人の人生を
もてあそぶもんなんでしょうか。
とにかく・・・悲しかったです。

なんとかならんかったのかなってのは
第三者やから言うてしまうことなんですかね・・・。
Posted by Ageha at 2009年07月03日 01:26
こんばんは。コメントありがとうございました。

映画の前半の展開がかなり意外で、「ええっ!?こんな過激な映画だったの!?」と困惑してしまいましたが、後半の雰囲気には純粋に引き込まれました。
だからこそ、ハンナの秘密に途中で気付いてしまったのが痛かったですね。

重たい物語でしたが、だからこそ胸に響く。そんな映画でした。ケイト・ウィンスレットの熱演も、非常に大きなウェイトを占めてましたね。
Posted by えめきん at 2009年08月04日 21:54
えめきんさん、どうも。

ええ、確かにかなり困惑。
いきなりですか〜っていう・・・モガモガ。
マイケルくんの一生は
この出会いでいっぱいいっぱいになってしまいます。
引きずるなというほうがムリな
相当なインパクト。
いや、色っぽい話だけじゃなくて
愛するがゆえに法を勉強する立場の自分が
彼女の意思を尊重してしまったことへの罪の意識。
彼のホントの愛情表現はあの法廷からはじまったような
気がします。すべて背負って彼女を見守っていくこと。

女性の立場からみれば、
どうしても隠したかった文盲も
年上の女性らしく包容力でつつみこみたかった晩年も
何かとても痛々しかったです。
強がりでおろかででも儚くて・・・。
Posted by Ageha at 2009年08月16日 14:00
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