Sometimes | |
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映画の宣伝と別に
CDの宣伝も流れるようになりました。PV見たんですが
岡田将生くんが映画に出てるときと同じかっこで
カメラをかまえてます。そこでいきなりモノが燃えたりすると
うわ〜、これ映画とのリンクですか?
この主題歌が「英語バージョン」であったことさえ
忘れていました。ドライアイになりそうなくらい、
見逃すもんかと今回は今回でスクリーンを必死で見てました。
・・・そう試写で実は一部意識がとんでたんです(!)
で、リベンジ。
まだ2月の段階では原作を読み終えてはいなかった。
どこかつまんないとあの時思ってしまったのはきっと
陽気なギャングのように
人を食ったような終わりをどこかで期待したからなんでしょうね。
どう考えたってこの話でそれはムリだ・・・。
それでも
伊坂さんの文体はホントに飛び越えていく。
話の重さや暗さを独特の語り口でその重力を解き放っていく。
だから家族愛の物語に人が感動し、
そこに書かれた印象的な台詞の数々に救われた気持ちになるんだ。
※先に言い訳しちゃいますが
このエントリはUPしてからも何度か書き直しました。
それじゃコメントできないじゃんというほど。
どうしても納得のいく感想が
自分の中でまとめられないでいます。
それでも何か残したくていつもよりダラダラ書いてます。
ご了承くださいませ・・・。
正直削除したいくらい恥ずかしいんですが
TBをいただいた方への感謝をこめて
一回目のレビューはコチラで。
「重力ピエロモニター試写会にて」
映画は映画だ、小説はフィクションだ、
それでも裁判員制度が始まった今、
もしこんなケースが出てきたらあなたならどうしますか?
もし自分の子供がこういう悩みを抱えて
24年生きてきたとしたら
親としてどうするのがベストですか?
やっぱりこの部分では、避けて通ろうとして
なかなかうまくいきませんでした。
ただ、2回目見て改めて思ったことは
原作の中で一番大切にしていたであろうテーマ
「それでも僕らは家族なんだ」
を忠実に再現してたんだなと。
ちょっとした事で簡単に崩壊してしまう家族がいるなかで
これだけ試されてもその絆がぶれることない、
むしろわらって飛び越えていく「最強の家族」。
もともとミステリー色はそんなにない作品なので
映画ではさらに家族愛を真ん中に持ってきた。
コレはいい選択だったんだと今は思います。
神様のあり方としては正しい・・といいつつも
まだ若かった父が
あの場で必死で自分で考えて決めた答えは
それだけでものすごく大変な決断を自分で背負いました。
それでも彼ら家族は必死で自分たちが
幸せに生きていこうとしてたんです。
もっとも「深刻なことほど軽く言っちゃう」スタンスですから
見た目にはホントに重力を感じないかのように生きてます。
お互いを思いやる彼らの愛情は
まず心無い人たちからの「重力」を
軽々と飛び越えていった。
ただ、さすがにレイプ犯が舞い戻ってきたとき
子供たちは冷静ではいられなかった・・・んですね。
そして、傷つきやすい心を持ちながら
どこかナイフのように危うい春を
泉水はいつもいつも守ろうとした。
お父さんがクローズアップされてはいるんですが
実際飄々とした父となにしでかすかわかんない弟の間で
このお兄さんも結構重要なポジションだったんですね。
悪者退治には兄貴とジョーダンバットでしょ。
いつも大事な場面には兄貴がいたからいないと不安なんだよ。
春はお兄さんを精神的にめちゃめちゃ頼ってました。
折れてもいない足にトイレットペーパー巻いて
服だけじゃなく、なんでもマネしてた子供の頃。
無意識になんとかしてホントの兄弟であろうとした。
高校でのシーンもクライマックスも
お兄さんはただ見てることしかできません。
それでも泉水をみつけて、炎のなかで春がちょっと笑った。
なんだろ、それを見てよかったなと思ってる自分。
夜の喫茶店で春がジンジャエールを注文したとき
泉水はどれだけショックだったか。
いや、こっちまで。
ただ、このシーンと逆に
お父さんに昨日の行動を聞かれて[口元をさわりながら]
何でもないというシーンに
お兄さんや父親だけでなく観客であるワタシまで
何かとてもほっとした。
「”お前は俺に似て”嘘が下手だ」
ただそれだけの台詞が春の抱える「重力」をまたひとつ軽くする。
春を必死で守ろうとした家族の物語。
あの環境でもって二人の息子がまっすぐ生きてこれたのは
あの父あってこそ。
それでもなお、その家族のあり方が美しい分
どうしてこの結末になってしまったのか、
彼がここまでいくまでに何とかできなかったのか
心はそこをぐるぐる回っていました。
伊坂さんの作品は主人公が罪を犯しても
それよりももっと大事なことがあるねんってほうへ
人の目がいってしまう。
ワタシは春や泉水を責める言葉を持ちません。
できればつかまらなきゃいいと思ってる。
お前はこのことをずっと考えてきた、
他人に裁かれるようなことじゃない。
確かそんな風な台詞で泉水は引き止めます。
激しく同意しながらもすっきりしない。
作品そのものには独特の「浮遊感」があったのに。
それから1ヵ所だけ。
春ではなく泉水に向かって言った台詞で父に
俺に隠れて”悪い”ことをやった・・と言わせてました。
原作と異なるということは
監督は罪は罪として指摘しておいて
その後の救済のことばへつなげていったのかもしれません。
映画では特に、蚊帳の外にいたかのような父ですが
春がなにかしでかすときに持っていくジョーダンバットは
父・・だったかもしれません。これもまた
春を支えるアイテムだったのかも。
だから持って帰ってきたんだ・・・。
睡眠不足で見落とした部分を補完して
なんてすごい作品だったんだといまさら気がついた。
春が2階から落ちてきた。
人は誰でも何がしかの重力を背負ってる。
でも、精神的に受け止めてくれる誰かがいれば
こころは空も飛べるような気がした。
サーカスで言ってた母の言葉が
ラストでとってもリアルに感じられた。
フワっと舞う春の姿を見てるとね。
そしてそこにはいつも泉水がいた・・・。
PS:ハチクロで加瀬亮さんが
「人が恋に落ちる瞬間をはじめてみてしまった」って
せりふをいうシーンがあったんですが
映画の冒頭、
「春が2階から落ちてきた」
たったコレだけのせりふひとつとっても
彼でよかったと思いました。
なんていうか監督のキャスティングやっぱりすごいわ・・・。
PSその2:映画のつくり上省いて全く問題ないひとですが
背中しか出てこなかった「黒澤」とおぼしき探偵。
まあ、この人物に関しては「ラッシュライフ」で登場するし
しかも堺雅人さんが当てられてるから
かなり期待してたりするんだ。
「重力ピエロ」原作の中では、サブキャラにもかかわらず
黒澤に対して人が興味や好感を持つような
かなり詳しい人物描写がされていたので。
あ、そうそう「ゴールデンスランバー」は
中村監督×堺雅人主演で今月から仙台で撮影スタート
むっちゃ楽しみ〜〜〜♪
日がたつにつれて、印象が濃くなるのは、
あえて「最強の家族だ」って言わなければならないほど
崩れそうな家族の絆を笑顔で守っていく父親の姿なのですから。
あのカツラ姿も含めて。
>カツラ姿も含めて。
・・・そこつっこまない。(笑)
KLYさんだったかな〜。
ヅラ時代の小日向さん(!)て
微妙に堺雅人さんに似てませんでした?
あ、いや雰囲気が。
というか、堺さんが年取ったら
小日向さんみたいな感じになってくのかなぁ・・・。
父の日に父にみせて、肩をたたいてひとこと
がんばれってツッコミましょう・・・?!(コラ)
父を尊敬する、うぉスゲーって思うような出来事って
なかなかないから、実際こんなお父さんおるかいっって
思ってしまいますが。
どこの家でもどんなとこでも
父って実はそれこそいろんな重力を背負って
家族のために働いてると思いますよ。
で、その重力のひとつが家族そのものだったりとかして
(わわわわわ)
仲良くしましょう。お互いがふわっとそらに浮かぶように。(笑)
私です。若かりし頃の小日向さんが堺雅人さんに
にてないかなーと言ったのは。(笑)
でもあの笑顔は中々出せないですからね。年齢関係
なく素敵です。
実は小日向さんはお仕事を一緒にしたことが何度か
あります。本当に素敵なで、礼儀正しくて、温厚で、
人間的に物凄く尊敬出来る方です。
あの父親役は小日向さんでなくては何て事は言いま
せんけど、でも小日向さんで良かった。
心からそう思います。
来ましたね。(笑)
逆に堺さんがもっと年を重ねたときに
小日向さんみたいな役ができるんじゃないかなとも
思いました。
堺さんの微笑みはホントに何通りもの意味を
持ちますんで。
台詞に命を吹き込むときに必ず
その人の持ってるカラーとかオーラとか人生とか
大げさだけど役として作ってる部分にプラスされる何かに
人が心を動かされるのだとしたら
伊坂さんの描いた父親像に小日向さんの魅力が加わって
この人にしか表現できないものがそこに出来上がって
「最強の父」になっちゃったのかもしれません。(笑)
その父の姿は他の人が演じればまた別のものがきっとできる。
世の中に父の数だけ理想のお父さん像があるように。
でも、なんだかんだ言うて
ワタシも小日向さんがこの役演じてくれてよかったと
心から思います。(笑)