逆周りの時計、永遠の愛。〜｢ベンジャミン・バトン数奇な人生」〜

女性としてこんなつらいもんはないな〜・・・。
自分に対する愛情が出会ったころと変わらないのに
鏡にうつった二人が恋人同士に見えるのは
ほんの数年だけで、
出会った時と間逆のベクトルで
外見の落差がどんどんひどくなっていく。

ただ、ベンジャミン本人は
淡々とすべて受け入れてきて、
人と同じ人生を歩めないがゆえになおさら
一瞬一瞬を大切にしてきた、そんな気がする。

時を越えて残る永遠がある。
寄り添った時間は本当に少しの間だったかもしれないが
その幸福に満ちたひとときは
彼と彼女に永遠を刻んだ・・・。

年を重ねるほどに外見は若返ってく。
デイジーのせりふだったか
どうせオムツをつけるのよと笑う、その言葉に
なんだか救われた気がした。

その状況は異常だけれど
それでも変わらない愛情ってのは脱帽した。
どんな運命が待ち構えていても
二人は結局ずっといっしょにいたんだ。
運命の出会いからずっと・・・。


2時間47分ってのは正直長いです。
お尻痛かった。(笑)
でもさて、どこをどう削ればよかったのか・・・
一人の男の人生を事細かに綴っていくため
話の起伏があまりない。
そこを退屈だと思われたらキツイかもな〜・・・

前半は正直外見が老人な分、申し訳ないがかったるく
その分といっちゃ〜なんですが後半は
ブラピの若返り方が半端ではなく、
どう見てもスリーパーズかジョーブラックのころの彼で
もうキャーキャーはしゃいでました。（それかい）
逆にケイトの、もうかわいそうなくらいすごい
老けメイク。今の技術ってすごいのな・・・。

そもそも拾われたところが老人ホーム（？）だったため
まわりがベンジャミンを受け入れてくれたし、
何よりデイジーは出会ったときから
彼を友達扱いし、やがては本当に好きになっていく。
この環境がせめてもの救いだったか・・・。

この人生は悲しかったか？

いやコレ見る限りではそうでもなかった気がする。
フツーに年を重ねていったとしても
人は出会って別れていく、年老いて死んでいく。
誰かとめぐりあうその一瞬を
どれくらい大切にできるかってのは
ベンジャミンみたいに数奇な人生でなくても
ホントは誰もが心にとめておくべきこと。
そう思えば逆回転の時計も個性だと。
外見以外はフツーの人生なんだと。
特殊な体験をしただけのことで
どのみち生きるってことは喜怒哀楽に満ちてる。


ひとは命のカウントダウンを実感しなければ
生きることの重さや大切さを
気にしないのかもしれない。
でも今笑って楽しくすごせる毎日を送ってることが
なんて幸せなんだろうと思わずにはいられない。

・・・と、マジなことを思いながら
試写会場をあとにしたのでした。(笑)

Comments

こんばんは

すでにあの老人のような赤ちゃんを拾ってくれた母親が素晴らしいです。
それだけで涙が出てきそうでした。
実の父親は捨てたんですよ！！（怒）
彼の成長をたどっていくだけの３時間弱、有意義でした。
オスカーとってほしいですね。
作品も、監督も、ブラピも！！

Posted by chikat at 2009年01月29日 23:30

chikatさん、どうも。

いや、やっぱしすごいのは
ブラピをあそこまで若返らせた特殊メイクでしょ〜。（え）
老け役のほうは逆に
ブラピが年老いてしまったらあんな感じかという
デモンストレーション？複雑な気分でございました。（！）

捨てた親に対してもう少し激怒してもええんちゃうんていう
気持ちで見てましたが
それ以外にしても妙に悟りの境地だった気がしますね。
あるがままを受け入れてくなかには絶対もっと葛藤があって
絶望も悲しみもあったと思うんですが
そこまでは出さなかった。それが吉か凶かは見たひとの
感じ方しだいかな。

ベンジャミンの育ての母役だったひともたしか
助演女優賞ノミネートされてますね。
・・・晩年の彼女が微妙に樹木希林に見えたのは
ワタシだけでしょうか（わわわわわ）

実の親が捨ててしまった子供にここまで愛情を注げる、
こんなひとがまだ世の中にいたんだ〜という感動、
結局最後まで寄り添ったデイジー。
この二人の愛があって彼はこの点においては
誰よりも幸せな一生を送れたと思いたいです。

Posted by Ageha at 2009年01月30日 04:09

初めまして♪
TBありがとうございました。

若返ったブラピは半端無くかっこ良かったですね♪
私もお尻は痛かったのですが、長さを感じさせないストーリー展開に夢中で見入ってました。
ちょっと不思議なベンジャミンの人生を体験出来て大満足でした。
GGは逃してしまったので、オスカーはとって欲しいですね。

Posted by CharlotteD at 2009年02月02日 22:26

CharltteDさん、はじめまして♪ようこそ。
大阪弁バリバリでギャ〜とかイヤ〜ンとか
まあ無茶苦茶書いてるときもありますが
サラ〜ッと流してお付き合いくださいませ。（笑）

ブラピ４５歳が２０歳に見える化粧品！
・・・って売ったらめちゃくちゃ売れると思うんだけどな〜

ええなぁハリウッド（違う違う・・）

オスカーはメイクさんに（まだ言う？・・・笑）
最優秀若返り賞とか・・・（おいおい）

Posted by Ageha at 2009年02月03日 17:19

Agehaさんこんばんわ♪ＴＢ有難うございました♪

数奇な人生ながらその特異な出生を嫌悪せず前向きに生き続けてこれたのは、やっぱり出会いが良かったのも一因かもしれませんね。老人ホームの人達もベンジャミンを難なく受け入れる辺り、心が広いのかはたまたボケてたのか・・・（笑）
でも最初は自分もこの３時間近い上映がちょっとネックだったんですが、ベンジャミンの人生を余す事無く表現するなら確かにこの長さも納得。普通に２時間ちょいでどこかに空欄を残すよりは、多少おケツの痛さを我慢してでも観る価値はある作品だと思いました。

Posted by メビウス at 2009年02月09日 22:04

こんにちは♪
腰痛悪化を心配してましたが、こまめに体位を変えたせいか（ウフフ）悪化はしませんでした。
どこを削ることもできないですね。
好きだったのはロシアでのエピソード。
あの外交官夫人といきなり始まっていきなり終わる恋が良かった。
あと、子供の頃のデイジーと秘密を打ち明け合った時に「僕は本当は子供なんだ」って言った時に「知ってる」って答えたところ。
子供はちゃんと見抜く目を持っているんですよね。

Posted by ミチ at 2009年02月10日 20:56

メビウスさん、どうも。

試写会で見たときはこの時間の長さはネックにならんのかと
心配してたんですが
意外にも皆さん大丈夫だったようで。

作品そのものもブラピの演じていたベンジャミンそのものも
好きだったんですが
オスカーとなるとう〜ん・・・どうなんでしょ？
特殊メイクにばかり目がいってしまって。
ラブストーリーには切なくなったものの
さてブラピ個人の演技となるとう〜ん・・・。

Posted by Ageha at 2009年02月18日 17:20

ミチさん、どうも。

２０歳も下の男子と見に行って来たわ〜♪
・・・そこで盛り上がるか。(笑)

(レンタルのスタッフさんとね。）

腰痛を心配しつつ見るのもつらいですが（爆）
ナルニアの魔女役だったティルダスゥイントンと
ケイトブランシェットが一瞬区別つかなくて
あれ？二役だっけ？？ってすっとぼけてました。
あ〜〜〜やばいわ私。

長い淡々とした映画の中で
やたらテンションの高い神父さんと
雷に打たれてばっかのじいちゃんがツボでした。(笑)

Posted by Ageha at 2009年02月18日 17:28